レッドウッド、護り育まれた伝説
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レッドウッドとは自生地カリフォルニア州での通称で、正しくは「セコイア・センペルヴィレンズ」という学名を持つスギ亜目セコイア属の針葉樹です。(メタセコイア、ジャイアントセコイアとは異なる樹種です)
セコイアの名は現地原住民、インディアンの偉大な賢者からとられたもの。その天高くそびえる神秘的な姿をして「神の木」とされた歴史に由来します。
生態系の特異点とも言うべき、群生することでその地の気候まで変えてしまうようなレッドウッドの特性。森林火災にすら耐性を持ち、自らの繁栄の糧としてしまうこの木にとって唯一その生命を脅かすであろう「自身の腐食」に、レッドウッドは極めて強い耐性を持つ植物として進化を遂げました。
自然林では100mを超えるほどの巨躯ですが、産業用としては現在人工林にて、日本のスギやヒノキの数倍の成長速度を生かしたサスティナブルな安定供給が実現しています。
およそ60年サイクルで管理されるレッドウッドは国産材の3倍の樹齢に及ぶ生産性を持ち、前述の耐腐食性は木材としては比類のない性能を発揮。
雨ざらしの遊具やベンチといった土木用途のほか、建築の外壁やウッドデッキなど「腐る」という欠点から限りなく自由になった存在として、木そのものの美しさを永く愉しませてくれる。
レッドウッドとは、そんな存在です。
屋外利用では生き生きとした赤みがやがて侘びたシルバーグレーへと移り変わり、屋内使用ではより柔らかく深まっていく温かな変化を味わうことができます。
高い耐久性は、移りゆく美しさを永く楽しめる性能でもあります。
建築とは、風景であり空間。そこには人がいて、時間が流れます。永く愛される建築が、いつしかより一層の魅力を放つように。レッドウッドがそのお手伝いをさせていただきます。
STORY
カリフォルニア州沿岸、サンフランシスコ近郊から北に東西幅36km、南北ながら700kmの帯状の地帯にレッドウッドの森は形成されています。およそ1億6千年前より地球上に自生するレッドウッドは、現存する最古の生物であり、最大の生物でもあります。樹高100m、幹の胴囲25m、推定樹齢2,000年を越える個体もあるほど。それほど古い個体ばかりでなくとも現地の森には80mクラスの途方もない巨体が見渡すばかりにひしめいています。
レッドウッドは毎年およそ1mずつ樹高を伸ばし、体積の増加は年数とともに加速していきます。その恐るべき生命活動は地中から凄まじい量の水を吸い上げ、高く伸びた樹冠は西海岸の海風から雲をかき取り、蒸散などの結果300mmの雨量にあたる水を地表に循環させ、ひいてはそれが局地的な気象を作り出し、豊かな生態系を育んでいます。その壮大でかつ神秘的なレッドウッドを見ていたアメリカ西海岸の先住民は、古くから神の木と崇めていました。
ゴールドラッシュの時代となり、一攫千金を夢見て世界中からサンフランシスコに人々が押し寄せてきました。入植者の建築用材としてこぞって利用されたのが、近郊に覆い茂っていたレッドウッドです。森は無計画に伐採され、貴重な原生林が姿を消していったのです。やがてレッドウッドの森を保護しようという気運が高まり、近年では野生の森は世界遺産に登録され、厳格な保護下に置かれることになりました。地球の歴史そのものというべき局地的環境の保護と、ごく限られたサスティナブルな産業利用により管理されています。
レッドウッドの保護が切迫した問題として叫ばれるようになった20世紀半ば、同じ頃にカリフォルニアの崖と海の境界に、「環境への順応」を大きく掲げた建築が、ひとつの歴史を刻むことになります。自然への尊厳とアイデアにあふれ、一切の驕りや加飾を感じさせない悠久の美しさをたたえるその建築は「シーランチ(Sea Ranch Condominium One)」。アメリカにおけるレッドウッドの代表的な建築物のひとつで、ロケーションや特徴的なデザイン、自然と共生する理念は、大きな反響を呼び、いまなお人々を魅了しています。
シーランチで半世紀前より変わらず供給されているレッドウッドの外壁を、当時よりの歴史を紡ぐ製材所から今も日本に導入できていることは、私たち建材事業部の誇りのひとつです。
レッドウッド産業に宿る健全性、環境へのリスペクトの精神はシーランチを作り上げた当時のそれが何ら変わることなく進化をとげたものです。私たちは国内唯一のレッドウッド・ディストリビューターとしてそれを日本に紹介するとともに、私たち自身が心を奪われたレッドウッドそのものの美しさも、多くの方と共有したいと考えています。
EPISODE
私たち建材事業部の歴史は、レッドウッドとともにあると言っても過言ではありません。
1984年、レッドウッドの輸入・販売を開始した頃、日本にはウッドデッキを持つ住宅はほとんどありませんでした。
驚異的な耐久性と安定性、夏の日差しを浴びても熱を持ちにくく、冬は冷たくなりにくい特性を持つレッドウッドなら、室中から裸足で屋外へ出られるウッドデッキを提案できるのではないか、と考え商品を開発。アウトドアリビングとしてのウッドデッキが普及し、安価で耐用年数の低いものも含めより身近なものとなりましたが、そのはじまりにして最良の選択のひとつに、今でもレッドウッドが存在しています。
ひとつの建材から、新しいライフスタイルを提案することで受け入れられたレッドウッド。
現在では、内外装壁材、外装壁材、デッキ・フェンスなどのエクステリア材など、ラインアップの幅を拡げています。
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